「こころ」(「まんがで読破」)の備忘録。

いやーかなり期間が空いてしまった。またぼちぼちブログを書いていこうと思います。

今日は「こころ」(「まんがで読破」)を読んだので備忘録。

ざっくりあらすじ

夏目漱石「こころ」は3部に分かれており、
上が「先生と私」、中が「私と両親」、下が「先生と遺書」
という構成になっている。

地方から大学進学のために上京してきたものの、特にやりたいことも見つからない「私」。ある日ひょんなことから「先生」と出会う。博識だがどこか影があるところに惹かれる。先生はある日、私に遺書を残し、その中で自分の過去を打ち明けた後、自殺してしまう。

遺書によると、自殺の原因は罪の意識。先生が学生の頃、同居していた親友Kが想いを寄せていた静(しず)を嫉妬の感情から奪ってしまい、そのためにKは自殺をしていた。先生はそのことに対する罪の意識をずっと持ち続けており、死に場所を探していた、というのだ。私はそれを読み、涙して終わるという話。

夏目漱石が描きたかったこと

普通に読むと、男女関係のもつれの結末に男2人が自殺をして終わるという後味の悪いお話。学校の教科書などで取り上げられていることも多いらしいが、その中でもこの3人の感情にフォーカスされていることが多いらしい。

だが夏目漱石が描きたかったのはそこでは無いらしい。この本の中でキーになるのが明治天皇と乃木希典の2人。本の中では、明治天皇が崩御した後に、日露戦争時の陸軍大将・乃木希典が切腹による後追い自殺をしたというエピソードが紹介されている。乃木は日露戦争(or西南戦争)で犯したミスに対して自責の念を抱えたままずっと生きており、死に場所を探していたというのだ。先生も「自分が死ぬとしたら明治の精神のために殉死するだろう」と述べており、乃木希典に自分を重ねて自殺をしたであろうことが仄めかされている。

これらのことから、この本のテーマは「忠義」なのではないかと思う。この本が書かれたのは1914年。明治時代が終わり、大正時代が始まったところ。国民が一丸となって富国強兵を目指す時代から、個々の権利を主張する大正デモクラシー民主主義の時代に移り変わりの真っ只中。
そんな時代において、乃木希典や先生を題材に「忠義」のために自らの生命を絶つということの意義について問いかけているのでは無いか。

明治維新の1年前に生まれ、大正5年に亡くなった夏目漱石は正に明治時代の人。明治天皇の崩御、乃木希典の切腹自殺には感じるものが大いにあったのだろう。
同世代であった森鴎外や新渡戸稲造は絶賛、逆に当時まだ若い世代であった芥川龍之介、志賀直哉などは酷評したらしい。

感想

個人的な感想としては…「信じるもののために自分を貫く」ことに対しては共感出来る。一度きりの自分の人生なんだから、他の人の価値観や時代観に迎合するべきでは無い。それが合理的でなく、側から見たら滑稽なものであったとしても貫きたいと思う。

と同時にやっぱり「死ぬのは勿体無い」かな。人生はマラソンだからね。生きていれば何とかなる。死んでしまったら本末転倒だと思う。そんな訳で「殉死」は共感出来ないかな。

「信念」について考えさせられる良い物語であった。暗い物語だったけど。そして漫画しか読んで無いけど苦笑

いつか機会があれば小説も読んでみたい。

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